ベーツ型擬態、オナガアゲハ。 |
ベーツ型擬態とは、外敵から身を守る擬態方法のひとつで、
捕食されても毒を持たない昆虫が、毒を昆虫に似せる擬態のことです。
以前、ツマグロヒョウモンを例に紹介しました。
今回は、オナガアゲハを例に紹介します。
毒を持つ「モデル」のチョウは、ジャコウアゲハです。
下の写真の通り、腹部に赤いラインがあり、毒々しい感じです。
ジャコウアゲハは、ウマノスズクサを食草として、幼虫の頃に体内に毒を蓄え、
成虫になっても、その成分を体内に保持しています。
ジャコウアゲハを食べた鳥は、気持ち悪くなり吐き出すそうです。
天敵の鳥はジャコウアゲハで学習すると、2度とジャコウアゲハを捕食しません。
ジャコウアゲハに似たオナガアゲハは、その習性を利用して擬態をしています。
毒を持つ昆虫を「モデル」と呼ぶのに対して、
擬態する昆虫は、「コピー」、あるいは「ミミック」と呼びます。
今回の場合、「モデル」は、ジャコウアゲハ。
「コピー」は、オナガアゲハです。
▼写真1 2013年8月13日 撮影(丹波市)
「モデル」のジャコウアゲハ。腹部の赤いラインが印象的です。
▼写真2 2014年5月5日 撮影(丹波市)
「モデル」のジャコウアゲハ。
翅を広げた様子は、オナガアゲハと区別がつきません。
▼写真3 2014年6月18日 撮影(札幌市)
「コピー」のオナガアゲハ。パッと見は、区別がつきません。
休息しているときに、腹部の赤いラインがないことで区別できます。
▼写真4 2014年6月18日 撮影(札幌市)
「コピー」のオナガアゲハ。
翅を広げた様子は、ジャコウアゲハと区別がつきません。