ニセの頭を持つ自己擬態、ウラナミシジミ。 |
以前に紹介したベーツ擬態は、他の種類に似せる擬態でしたが、
自己擬態とは、自分自身の体の一部を必要な部分に似せる擬態です。
忍者のような変わり身の術で、捕食者から身を守っています。
ウラナミシジミには、後翅に触角のような尾状突起と
目のようなオレンジ色の眼状紋があります。これが、ニセの頭です。
ウラナミシジミは、静止しているときに後翅を上下にすり合わせる行動をします。
すると、尾状突起が揺れ動いて、頭が動いてるように見えるのです。
まさにニセの頭です。
捕食者のクモやカマキリなどは、ニセの頭にだまされると
翅の一部を傷つけるだけで取り逃がしてしまうのです。
▼写真1 2013年11月4日 撮影
吸密中のウラナミシジミ。写真左が頭。右側が尾状突起と眼状紋。
▼写真2 2013年11月4日 撮影
右側が、ニセの頭。
後翅をすり合わせると、尾状突起が動いて頭を動かしているように見えます。
▼写真3 2013年5月13日 撮影 2013年7月28日
ウラナミシジミよりひとまわり小さい、ツバメシジミ。
小さくても、尾状突起と眼状紋があります。
写真は、後翅をすり合わせている状態。
▼写真4 2013年6月15日 撮影
写真手前にある片方の尾状突起が欠けた、アカシジミ。
眼状紋から欠けているので、捕食者に襲われたのだろうか?
▼写真5 2015年7月26日 撮影
写真左の後翅に青い目の眼状紋のある、ムラサキツバメ。
▼写真6 2013年8月18日
尾状突起が欠損しているムラサキツバメ。捕食者に襲われたのだろうか?
▼写真7 2014年6月8日 撮影
左側がニセの頭。ミズイロオナガシジミ。
▼写真8 2014年6月8日 撮影
左右の尾状突起がクロスして触角のように見える、トラフシジミ。